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実の理論と虚の理論

院長雑記

posted by admin


治療や手技は、
再現性の高いもの、低いものがあります。

こういう差異を表すのに、
実の理論、虚の理論
という話を聞きました。

これは私が鍼灸学生時代に、
鶴田拓郎先生から講義を受けたことですが、
すごく納得したので、
自分が体験した治療技術などを振り返るときに、
よく話を使わせていただいています。

実の理論というのは、
・論理的であって
・再現性が高い

というものです。

マッサージをするときなどに、
こういう角度で、このように押す、
するとこういう結果になる。

というように、ルールが決まっているものですね。

数学でいえば公式みたいなものです。
公式どおりに行えば結果は同じ、というもの。


虚の理論というものは、
・非論理的
・再現性が低い

ものを指します。

上に挙げた、こういう角度でこういう風にする、
ということを、
ある先生がやってもできるが、
ある先生がやるとできないなど、

違いが生まれるものです

数学でいえば、
同じ公式を使うのに、結果がばらつくようなものです。



どこかに天才の先生がいるとして、
その先生独自の方法があったとします。

他人が真似できるものもあれば、
再現しようとしても、
どうしても再現できない方法が出てきます。

解剖学的に正しくても、
誰にも再現できないことや

解剖学的に正しくなかったり、
物理的な理屈がめちゃくちゃでも、
天才先生がやると効き目が出ることがあるのです。

こういう場合、
治療で用いている技術は虚の理論です。

実際の物理法則以外に、
なにかしらエネルギーが働いているのです。

だから、物理的な理論どおりに真似ても、
再現できないという現象が生まれます。

よい治療家先生の中には、
意識せずともヒーリングのフィールド、
治療の雰囲気、結界みたいなものをもっている人がいます。
そういう先生に治療を受けると、
触る前に、すでに治療が終了していることがあります。

テリトリーに入るだけで、
患者は勝手に影響を受けるのですね。

触れないで治る、少し触れるくらいで治るという現象も、
先生独自のフィールドであったり、
場所そのものにヒーリングの効果があることで起こります。

こういう方法で治療をしている先生は、
意識的、無意識的かはわかりませんが、
虚の理論であるエネルギーを用いています。

余談ですが、
場所によるヒーリングは、長野県の分杭峠などの、
パワースポットなどが有名です。

治療家先生の中には、
風水やパワーストーン、その他エッセンスなどを用いて、
意図的にヒーリングの場を作る先生もいます。

余談終了


虚の理論スタイルの先生はカリスマと呼ばれ、
患者の絶えない先生が多いですが、
代替の能力を持っていたり、引き継ぐ人がいないと、
一代限りのものとなってしまいがちです。

実の理論の技術は、
そういう特異性のある力ではなく、
再現性の高いものであるので、
技術の発展・継承がしやすいものなのです。

鍼灸であったり、徒手療法の治療家の底上げには、
再現性の高いものが普及することが、
全体のレベルの向上につながります。

私自身が目から鱗、と感じる技術は、
実の理論に基づくものが多いです。
理論を追っかけていくと、
考え抜かれて、
研究されてできたものなのだな、
とわかるものが多いからです。

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