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手のしびれ 足のしびれ

症例

posted by admin

寒い日が続きますね。
治療院開いて2回目の冬シーズンになり、
患者さんの症状で痺れが出る、
という人がちらほらいらっしゃいます。

手のしびれや足の痺れがありますが、
まず私がチェックするのは、手なら、頸椎からの問題かどうか。
手で言えば、首の骨(頸椎)の5~7番目に問題があると、
糸をたぐるように、関連した部分に痺れがでます。
これがはっきり出ていると、いわゆる頸椎ヘルニアというやつです。

この症状も、C1(頸椎の1番)の調整で改善することが多いのですが、
この検査で引っかからないものもあります。
首からの問題でない、筋肉の絞扼からのしびれと、
物理的に神経を損傷して起こるしびれ、

さらにはそれにも当てはまらない、
いわゆる「解剖学の理屈に合わないしびれ」です。

こういうときに、鍼灸師としては中医学の理論で考えます。

中医学は、物質として認められない「気」の概念を普通に使います。
以前書いた記事の中に、
五行論というものについて軽く触れたものがあります。
五行論とは、すべての事象は5つに分類できるんだよ、という、
極論のようなものです。

その中で
五邪=5つの悪い気 という概念があります。
それは 風 暑 湿 燥 寒

季節でいえば
春 夏 長夏 秋 冬

五邪 風  暑  湿  燥  寒
五季 春  夏  長夏 秋  冬

季節ごとに、悪さをしている気に特徴があると言われています。
なんとなく、イメージと合うでしょうか。

風はあちこちに移動し、風邪(かぜ)なんて言いますよね。

暑はそのまま、夏の暑さによるもの

長夏は、湿 これは梅雨と考えてよいでしょう。
この時期はなんだか体が重くて、だるくなります。
これは、しっとりした湿邪がまとわりつくからです。

秋になると、乾燥の邪、これは少しイメージがつきづらいです。

冬はそのまま寒、 これはイメージしやすいですね。

ただ元来、中医学による五行というものは、
中国大陸の一部の気候を示していることから、
日本で当てはめると、若干のずれがあるのではと考えています。
個人的には 春がきて、長夏(梅雨) 夏 秋 冬かなと。

さてさて、ここまでが前提なのですが、
中医学でのしびれは痺証(ひしょう)などと呼ばれます。
これは、風 湿 寒 の気が 単独、
もしくは合体して悪さをするもの、と考えられています。

ではこの病気だったと仮定して、どう治療をするのか。
私はお灸を使います。
Oリングテストという、人体の反射を使ったテストと、
イネイト活性療法というものを組み合わせた診断で治療点を探すのですが、
見つけたポイントに、米粒大のもぐさを燃やします。
燃やします。燃やします。この方法を透熱灸(とうねつきゅう)と呼びます。
面白いことに、痺証の人は、寒の強すぎるせいか、
普通ならあちちち、となる熱を加えても、全く感じることがありません。

30回以上~50回も据えていると、
だんだん熱を感じるようになって、
つーんとした刺激を感じるようになってきます。
ここまで刺激すると、今までの経験的にはかなり効果が出てきます。
予想が当たっていれば、その場でしびれが消えてしまいます。

これの理論的には、
鍼灸真髄という昔の先生の本をお手本にしています。
自分のイメージとしては、
そのツボに集まった寒い気を、
燃やし尽くして灰にしてしまう感じですね。

最近の手法は、役に立つ方法をいろいろ学んだ結果、
取捨選択を迫られることが多いです。
鍼もお灸も使うことがありますが、手技だけで終わることもあります。

様々なニーズに対応した治療ができると最高なので、
もっともっと勉強しなくては、と、
最近はもらった資料や教えてもらった方法などで、
勉強する時間が足りなくて嬉しい悲鳴を上げております。

自分の中で「これはもう完成形だろう」と思うスタイルを見つけたと思っても、
半年もすれば、また変わってくるのが自分でも楽しいですね。


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