私の祖父母は、母方の祖母のみ生きていますが、
ばーちゃんは今は施設暮らし。
手先が器用で、人の面倒見がよくて、優しい。
自慢のばーちゃんです。
齢９７となり、さすがに認知症が進んできましたが、
２，３年前までは、認知症すらなかったすごい人です。

認知症はアルツハイマーの症状が出ていて、
短期記憶をすぐ忘れてしまいます。

今、私が祖母をすごいと思うのは
「忘れていることを受け入れている」ことです。

さっきこーだったよ、というと
「そうだったかね（にっこり）」で終わります。

自分で想像してみると
身に覚えのないことをした、していた、と、
人に指摘された場合、
どのような反応をするでしょうか？

「そんなわけない」
「いやいや、違うって」等々、
否定したがるものではないかと思います。

記憶にないことを人に指摘されて、
それを受け入れられるというのは、
心境的にすごいことだなあと思うのです。

その場には、
介護の必要な人間がばーちゃん含め二人いたのですが、
手伝いやら介助やらさっさとできるようになった自分に、
介護職経験しといてよかったなーと、つくづく感じました。

ばーちゃんのトイレ介助することができるなんて、
昔なら想像もできなかったし、
苦にもならんというのは、経験値の賜物です。

ばーちゃんは会うたびに
「ありがたい、ありがたい」と合掌してくれます。
何かしてもらうことに対して、とても恐縮と感謝をするのです。
まるで生き仏を見ているようです。

今回トイレ介助したら
「悪いねえ、悪いねえ」というものだから
「孫に面倒見てもらえるなんて最高じゃん！」と話しました。
恥ずかしいけど、照れながら嬉しそうにしているのが本当にかわいかったですｗ

介護職やっていたときの上司に言われたことで、
特に心に残っている言葉があります。

「認知症の人ってすぐ忘れてしまうけど、
　きっと魂は覚えているから、尽くしてあげればいいよ」

なるほど、と思いました。

ばーちゃんは会うたびに
「あんたになんもしてやれんで悪いね」と言います。
私は毎回
「たくさん面倒みてもらったから、今は恩返しする番だよ」
と返しています。

忘れてしまうなら、
何回でも喜ばせてあげればいいな、と思ってます。

あと何回会うことができるかわからないけど、
幸せな記憶をたくさん覚えてもらいたいですね。