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内臓 腎の話

院長雑記

posted by admin

・腎の話
中医学における腎(臓)は、
現代医学の腎臓とは役割がかなり異なります。

というと、
腎臓は水分を濾して、体に不要なものをおしっこにする役割がありますが、
中医学の腎には、
・納気をつかさどる
・骨をつかさどる
・髄の生育
・水をつかさどる
・精をつかさどる
・骨をつかさどる
等々、色々な役割があるとされています。

その中で、精をつかさどるに注目をします。

精というものは、
人の生命エネルギーそのものと考えてよいでしょう。
精にも、先天の精、後天の精とあり、

先天の精は、両親からもらった、うまれもってのエネルギーです。
後天の精は、食事や環境などから吸収し、合成するエネルギーです。

人は生まれたときに、先天の精が100%あり、
成長し、老化することで低下をしていき
0%になったときに死に至ります。

後天の精は、先天の精が0%になることを、
ゆるやかにするための
サポートのエネルギーです。

心身にとってよい環境でいること、
よい食事などを摂る、
ということがイメージしやすいでしょうか。

腎は生命にとって、
根源と言ってよいほどの働きがあります。

さて、今まで取り上げてきた、陰陽五行論ですが、

五臓 肝  心  脾  肺  腎
五腑 胆 小腸  胃 大腸 膀胱
五華 爪 面色  唇  毛  髪
五感 目  舌  口  鼻  耳
五主 筋 血脈 肌肉 皮毛 骨髄

このようになっています。

私はこの表を覚えた時、
「あ、年を取るってってこういうことか」
という理解をしました。

腎の縦列を見ていただきたいのですが、

腎が衰えることで、髪が薄くなります。
腎が衰えることで、耳が遠くなります
腎が衰えることで、骨がもろくなります。
そして、歯なども抜けていきます。
腎が衰えることで、髄=脳が退化します。

髄というものは、そのまま脊髄を指すのではないかと考えられていますが、
脳みそも、
きちんと内臓の種類として取り扱われてします。
そして脳の別名は、髄海、と呼ばれています。
髄の海とは、なんとも面白い表現だなぁと思いました。

精は、精そのもの。
つまり、生殖行動でも消耗します。
精子、という言葉も、語源は中国からかもしれませんね。

絶倫の人は頭がはげる、なんてことを言いますが、
逆で、生殖行動を多くするから、腎が消耗し、
髪がなくなる、ということだと思います。

その人の性欲と、腎が強いかは別問題だということですね。


あとは、
思春期に、おねしょをする子どもなどがいますが、
これは、成長速度が加速する時は精の消耗が激しいので、
膀胱や腎に回すエネルギーが足りなくなり、
腎の表裏の関係である膀胱の調子がおかしくなることで、
本人に制御できなくて起こる現象だと考えられます。

ですから、思春期のおねしょなどは、
特に怖がる必要はなく、
腎や膀胱を補うツボへお灸したり、
食事を気を付けることでよくなるよという理屈で考えています。

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