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五味 味について

マメ知識

posted by admin

季節の味

たびたび取り上げている中国医学のお話で、味について。

陰陽五行論では、五味という味の分類があります

五味 酸 苦 甘 辛 鹹(カン)

最後のカンは塩辛いというものですが、それ以外は想像がつくと思います。

ほかの臓腑や季節などの関係と合わせると
五季  春  夏  長夏  秋  冬 
五臓  肝  心  脾   肺  腎
五腑  胆  小腸 胃   大腸 膀胱
五味  酸  苦  甘   辛  鹹

縦列に相関があるとされていますので、
春には肝が悪くなりやすい、というような考え方をしています。

この味の関連について学んだ時に、一番初めに想像したことが、
「妊婦さんは酸味が好きになる」ということです。
これは、胎児をお腹で育てる段階で、
肝臓に1~1.5人分の負担がかかるから、肝(臓)が悲鳴を上げ
滋養をとるために、酸味をほしがるのだなと想像しました。

この五味の分類というものは、

1、関連したときにそう感じる、という理由と、
2、エネルギーが不足しているときにほしがる、という理由と、
3、摂取しすぎると痛めるよ、という理由があると考えています。

そのときどきでパターンが違うと思います。

1、関連したときに感じる
 一番わかりやすいのは、
 ひどく落ち込んだりしたときに食べるごはんは、おいしくないということ。
 精神的につらいときに飲むものが「ほろ苦い味」なんて表現されることもありますよね。
 これは心が痛まることで、苦味という味として感じる表現なのだと考えてます。

2、エネルギーが不足しているときにほしがる
 これははじめに挙げた、妊婦さんの状態などがあてはまると思います。
 肝(臓)がエネルギー不足になることで、
 力を蓄えるために、欲しがる味ですね。

3、摂取しすぎると痛める
 経験上で感じるのは、甘味でしょうか。
 胃腸の調子がよくない人は、甘いものが好きで、食べ過ぎていることが多いです。
 調子が悪くなる→甘いものがほしくなる
 →どんどん食べる
 →必要な甘みの力と違うから、そのまま甘いものが食べたい
 →どんどん胃腸に負担がかかる
 というような状態です。

初めて来た患者さんには、味の好みを聞いています。
好みが均等な人でも、症状によって、味の好みが変わったりすることがあります。
まだまだ臨床経験としては数が足りておりませんが、
病気との関連はかなりあるのではないかなーと、感じることが多いですね。

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